日頃から富士グラベル supported by Gravelking に目を向けていただき、ありがとうございます!主催者のボシスと申します。
今年の富士グラベルは、土日の二日開催で行われる「スルガ銀行 presents 富士サイクルフェスティバル」の一環として位置付け、規模を拡大する方針を決めました。
それに伴い、受付時間を初日の16日の10:00から16:00の間に設定させていただくことになりましたので、事実上前日から現地入りしていないと出走できないことになります。
当然ながら、わざわざ現地まで足を運んでいただく参加者の皆様から2日も奪うことになり、ご不便をおかけする方もいることを理解しております。どうしても一日しか確保できない方のことを思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
だからこそ、富士グラベルが抱える課題や、持続可能な成長を見据えた運営方針をご紹介させていただいた上で、受付と走行イベントを切り分ける判断をした背景についてご説明すべきだと思いました。
そして、主催者としてのイベントブログ記事という形を決めたのは、一つの特定の分かりやすい理由があるというよりかは、絡み合っている複数の要素をどう組み合わせるかという、イベントのあり方に深く関わることだからです。オープンにすることにも意義があるのではないかと思いました。
富士グラベルの中長期の方向性について
5月に開催している富士グラベル supported by Panaracer は、富士グラベルの事業全体において、主軸となるメインイベントです。日本国内のグラベル事情、立地&アクセス状況、フィールドの可能性を踏まえて、「グラベル業界への玄関口となる代表的なイベント」を目指すことにしております。
日本では中級者以上を対象にしたイベントが多く、参入のハードルが少し高いように感じました。一方で、パナレーサーさんをはじめ、グラベル市場を形成しているメーカーさんにとっては、市場は大きい方がいいので、一人でも多くのサイクリストにグラベルの真の楽しさに触れてほしいという思いがあるはずです。富士グラベルなら、首都圏からも関西圏からも行きやすく、富士山の斜面を横切る起伏のゆるいグラベルが多く、かつ日本を代表する富士山のシンボル性もあり、インバウンドの誘致に繋げる可能性も秘めていると思い、「幅の広い層から興味を持っていただける大きなイベント」でどちらかと言えば「初心者寄り」「初心者に優しい」という位置付けを目指すことにしております。
この大きな目標を実現するためには、「成長性」と「持続可能性」の両方をバランスよく担保する必要があると考えています。ここには、林道管理者や地域の各ステークホルダーとの関係性、幅広いボランティアコミュニティの形成、キャパシティに耐えられる会場の確保、健全な収益モデルの設計など、必ずしも同じベクトルを向くとは限らないステークホルダーがおり、様々な課題が存在します。
これらが成立する形で総合的に組み合わせるのが主催者の仕事であると日々実感しております。
受付時間設定の背景
さて、富士グラベルの全体的な(抽象的な?)紹介をさせていただきました。これを踏まえて、次にイベント内容の設計及び受付時間の設計にどう結びつくかについてご説明できればと思います。
ボランティアスタッフの確保
最もシンプルで分かりやすい観点でいうと、まず根本にあるのは、ボランティアスタッフの確保です。
日曜日の朝の早い時間帯が、動線管理、交通整理、エイドなど、全体的に最も忙しく、人手が最も不足している時間帯です。早朝から稼働できないボランティアスタッフも多く、お金で解決するにも限界があります。早朝から短時間で数百名の受付をさばくのはハードルが非常に高いです。
会場の都合
今年は、毎年開催されている音楽フェスティバル「FUJI&SUN」に見習い、会場を富士山こどもの国の園内に移動することに決めました。
これには様々な理由がありますが、富士サイクルフェスティバルの展開、富士山こどもの国との相乗効果に対する期待、会場の拡張性、子供や家族向けコンテンツの設計などが挙げられます。
富士山こどもの国は非常に広く、国道側にある「街エリア」と富士山側にある「草原エリア」の二つに分かれています。草原の駐車場の最大キャパシティは285台なので、スタッフ、出店者や一般来場者を含めると、自由に使える台数は参加者の総数の半分にも達しません。当日、多くの参加者は第2駐車場に停めることになりますので、約2kmの移動が発生します。移動するには、園内列車が走行する道を利用するので、開園時間までに富士グラベルのスタートを切らないといけません。
寒い中、会場内で早朝から並び、忘れ物しても駐車場に戻れないなど、かえって参加者にご不便をおかけすることになります。それより、出走の準備ができた状態で移動していただき、そのままスタートラインに並ぶ運用の方がよっぽどスムーズになるのではないかと見越しています。
イベントの持続性
富士グラベルを大きく、長く育てる過程で、個人的にとても大切にしていることの一つは、「参加収入に依存しない収支バランスの設計」です。
有名な「富士ヒルクライム」を参考にすることが多いですが、富士グラベルでは、環境保護の観点から、何千人ものサイクリストを受け入れることはできません。地域から応援されるイベントを設計するためには、負担をかけすぎないように気をつけつつ、十分なメリットを生み出していく必要があります。
この発想をもって、昨年の第1回で「富士サイクルフェスティバル」を試験的に小規模で開催しました。これで、行政、商工会議所、地域の事業者、グラベル業界の事業者様など、多方面のステークホルダーからフィードバックを頂き、フェスティバルを主軸としたイベント設計を確信しました。イベントの幅を広げることで、単に宿泊者数を伸ばすだけではなく、様々なコンテンツで地域のプレイヤーに関わっていただく機会が増え、イベントのインパクトを強化することができると思っています。
今年から、地元のスルガ銀行から富士サイクルフェスティバルにご参画いただいたのも、共通の想いと目標があったからだと思っています。イベントそのものが目的ではなく、イベントを通じて参加者も地域もハッピーになることが目的だと思っており、その絶妙なバランスがいつ崩れてもおかしくないので、最終的には主催者が決断をして、自ら作りにいかないといけないな、と実感している日々です。
代理受付を認めていない理由
また、当日受付ができないとしても、代理受付を認めたら都合が付かない人でも知り合いなどに頼んで運用できるのではないか、というご意見も頂いております。
富士グラベルでは、「チーム」の概念はなく、あくまで個人参加としておりますので、「誰が誰と一緒に来ているか」は主催者側で把握しかねます。
受付の一つの趣旨として、出走するのがエントリーをいただいた本人であることを保証する役割もあり、第三者のゼッケンなどを受け取れるようにしてしまうと、主催者側で行き違いがあった場合の責任が取れないので、お断りしております。
今後、皆様のフィードバックを踏まえ、打てる対策があるようであれば、前向きに検討していきたいと考えております。
つまり
まとめると、もし「前日から現地入りしなければいけないのか、負担が大きいな...」と思っていたら、それは、今回の富士グラベル supported by Gravelking とミスマッチがあるからなのかもしれません。
しかし、ご安心ください。グラベル走行だけ気軽に楽しんで帰りたいな!という方のために、「富士グラベルライド」の企画を別途進めております。近日中に発表できるかと思いますが、楽しみにしていただければと思います。また、12月の第一日曜日に開催を予定している「富士グラベルエクストラ」がまさに、グラベル走行に特化したイベントとなっております。こちらでもご一緒できればと思いますので、ぜひともご検討ください。
終わりに、申し上げたいことがあります。
今回は、この形で設計をしましたが、今回の富士グラベルはまだまだ2回目、昨年12月の富士グラベルエクストラを含めると3回目の開催になります。まだまだ成長フェーズで、思い描いている富士グラベルのあるべき姿を見据えて、試行錯誤を続けながらそこに繋がる道筋を何とか作ろうとしているだけで、私たちのアプローチが正解でも、最短コースでもない可能性が十分あります。
そのためにも、厳しいご意見も含め、皆様からのフィードバック、感想やアイデアをぜひ頂戴できればと思っています。
それでは、5月の16日と17日に富士山こどもの国でお会いしましょう!